社会貢献につながるビジネスモデルには、BOPビジネスがあげられます。貧困や低収入の人々が暮らしやすい社会を実現できるサポートがしたいと感じる方に注目される方法です。
今回は、BOPビジネスとは何か、成功に必要なポイントと事例をわかりやすく簡単に紹介します。
これから新しい事業内容を展開したい方で、社会貢献と利益の両立を追及したいと考える方はぜひ参考にしてください。
BOPビジネスとは?
BOPビジネスは、貧困や低収入の人たちを支援するビジネスを指しています。社会貢献と利益の両方が得られる仕組みです。
開発途上国の支援やブルーオーシャンの事業内容が見つかるメリットがあります。貧困や低収入に区分される人は多くいるため、人々の生活を根本から支援して豊かに暮らせる社会づくりに貢献する流れです。
BOPビジネスは、今後増えると予想される中間所得者層との関係性をつくりながら、新しい顧客を獲得できる意味でも注目されているビジネスといえます。
BOP層の意味とは
BOP層とは、世界のなかでも貧困、低収入の人たちを指す言葉です。BOPビジネスは生活に生きづらさを感じる人に向けて展開する事業内容で、世界の7割以上の人に当てはまるとも言われています。
BOP層の生活に求められる商品やサービスを提供することで、貧困や低収入を改善して雇用を生み出す機会につなげることが可能です。
BOPビジネスは社会問題に切り込みながら、BOP層の人々を新しい顧客と考えて事業を展開することで企業が安定的な経営を育む機会につなげられます。
開発途上国の支援事業に取り組める
先進国よりも経済や土地の開発が途中段階の国は、開発途上国と呼ばれます。開発途上国では、雇用や働き先が安定しない地域や仕事に偏りがあるなど、豊かに暮らすための土台を整えることが必要です。
豊かな生活を送るためのインフラ整備、子どもたちの教育する機関の設立、食を安定的に配給できるシステムなど、現地の人々の未来につなげる施策が多くあげられます。
開発途上国の生活基盤を整える支援事業は、今後ともさまざまな分野から展開していくことが重要です。
企業のイメージアップにつながる
BOPビジネスは、世界に先駆けて事業が展開できるビジネスモデルとして注目が集まっており、貧困や低所得者に向けた雇用を生むなど、社会貢献に関わる企業としてイメージアップにつながります。
企業が関連した別の事業を主軸に活動している場合、企業のブランド価値が高まる期待がもてるため、ひとつのビジネス戦略としても有効活用が可能です。
大元の事業内容を活かした支援活動を展開するなど、自社の強みを活かしながら社会貢献できるきっかけになります。
ブルーオーシャンの事業内容が見つかる
BOPビジネスは事業として認知度が高い分野ではないため、ほかの企業が進出していないブルーオーシャンが見つかりやすいメリットがあります。
ほかの企業がすでに実施している取り組みに対して、参入者が少ないスキマ産業を事業内容に活かせれば、社会貢献と利益追及の両立が可能です。
ブルーオーシャンのビジネス戦略として差別化を図る意味でも、BOPビジネスを取り入れる選択肢を検討する価値があるといえます。
BOPビジネスはどんな課題がある?
BOPビジネスは、社会貢献と利益の両方を追及しながらも、テーマとして現地の人々の暮らしや価値観にあった商品を提供する姿勢が求められます。
事業内容によっては失敗例につながる場合もあるため、成功に導くためにもBOPビジネスにはどんな課題があるのか見ていきましょう。
BOPビジネスが浸透していない
一般的なビジネスモデルに比べると、BOPビジネスは初心者から参入するのは難しい側面があります。社会問題の解決に求められる技術力や人材の確保など、企業が事業を展開する準備に時間や予算がかかる可能性が考えられるからです。
BOPビジネスには、周りからの共感やサポートを得るのが難しいと感じられる場面も少なくありません。
前例のビジネスモデルがある場合も、資金や人材が確保できない場合もあり、企業が参入するには壁を感じるポイントが多い点も特徴です。
BOPビジネスは一般的なビジネスモデルよりもノウハウや認知度が低い可能性があるため、あらかじめ人材や資金とともに技術力が確保できる道筋があるのか、検討してから事業展開を進めましょう。
現地の調査や需要を確かめる必要がある
開発途上国を中心に事業を展開するBOPビジネスは、現地の人々から求められる需要に応える製品やサービスを開発する必要があります。
実際に現地で社会問題になっている事例は何か、どのような人々が土地に暮らして雇用を得ているのかなど、実体験に基づきながら開発が進むサポートにまわる方法がおすすめです。
利益追求に偏ってしまうと失敗事例につながりやすいため、実際に現地で調査を進めながら住人の生活や価値観に合わせた内容を展開しましょう。
低所得者の社会参加につなげる内容を展開する
開発途上国のなかには、安定的な雇用が見込めない方も多くいます。BOPビジネスの事業展開で新しい雇用の流れができれば、現地で働き先に困っている方たちの助けになるはずです。
低所得者が社会に参加できる機会ができれば、地域社会が発展するきっかけにつながるため、BOPビジネスが社会貢献の手助けになることが期待できます。
事業内容の強みと新規事業の計画を検討しながら、社会貢献や雇用につながる内容との親和性を再度検討してみましょう。
BOPビジネスの成功に欠かせないポイント
改善の必要性が求められる課題を選んで解決に導くことは、BOPビジネスを始めるときに大切な視点です。
BOPビジネスの成功に欠かせないポイントを見ていきましょう。
地域の課題に合った事業を展開する
開発途上国にも発展差があるため、それぞれの地域によって解決が求められる課題が変わってきます。
たとえば、インフラの整備が進んでいない地域では、安全な飲み水を確保できる事業を展開、衛生面で病気の課題が大きい地域では生活環境を整える商品やサービスを提供する流れが必要です。
あくまでも事業内容の根底にあるテーマは、現地に住む人々が豊かに暮らせる仕組みづくりが重要になります。BOPビジネスを成功させて開発途上国の人々に社会貢献を続けるためにも、地域の課題に何があるのか調査と需要を検証することがポイントです。
生活を支援できる内容に取り組む
開発途上国では病院や学校施設、インフラなどの整備と経済発展が課題にあげられるため、まずは生活の土台になる仕組みづくりを支援できる活動を実施しましょう。
子どもたちが勉強を続けられる施設の建設や整備、学校給食の支援や援助、新しい雇用を生み出す事業内容の展開など、地域社会が成り立つ仕組みや基盤を整えます。
生活支援の内容に力を入れて大元の土台が整うと、次のステップに向けた新しい事業を展開できる機会にもつながるので、まずは経済発展の根底に関わる支援事業の参入がおすすめです。
BOPビジネスモデルの事例3選をわかりやすく簡単に紹介
社会貢献活動とビジネスに関わる企業の成功事例をピックアップします。
実際にBOPビジネスに関わる事業内容を展開するときの参考にしてください。
BOPビジネスモデルの事例3選をわかりやすく簡単に紹介します。
テーブルクロスの事例
開発途上国の学校給食を支援できるサービスには『テーブルクロス』の飲食店予約アプリの事例があげられます。
アプリから飲食店の予約をすると、広告費用のうちの一部が開発途上国で暮らす子どもたちの給食に使う資金として社会貢献活動につながる仕組みです。
アプリをダウンロードして使う人たちにとっても、人の役に立てる活動ができるので一石二鳥に感じられます。飲食店の広告につながるだけでなく、開発途上国や使用者の全員にメリットがある仕組みとして画期的なBOPビジネスの一例です。
参考:【特集】社会貢献型ビジネスを大学時代に起業。飲食店の予約が給食支援になるアプリ(2019年6月号)
三菱商事の事例
マニラの地域で水道支援事業を展開した『三菱商事』は、人々の暮らしに欠かせない水道の整備など、貧困層の人たちを助けるプロジェクトを成功させました。
水道関連全般の整備が進んだ結果、地域での水の供給が安定化するようになり、人々に大きな恩恵をもたらした取り組みです。
現地に暮らす人々の生活が向上し、水資源のビジネスモデルで先駆けの成功事例になりました。
参考:ケーススタディ:日本企業による途上国ビジネスへの支援 フィリピン: 水道事業(三菱商事)
豊田通商の事例
電力不足の課題を解消した事業には『豊田通商』がパキスタンを支援した事例があげられます。地域のグループ会社と協力する形で電力支援を実施し、地域の人々が暮らしやすい生活の土台づくりに貢献しました。
現地の資金問題と調整や兼ね合いを取りながらプロジェクトは成功し、その後も診療所や小学校の設立など、子どもから大人までが安心して暮らせる社会貢献活動を実施した流れです。電力不足の課題解消につなげた途上国へのビジネス支援の成功例としてあげられます。
参考:ケーススタディ:日本企業による途上国ビジネスへの支援 パキスタン: 発電事業(豊田通商)
BOPビジネスは需要と供給に合わせた展開が重要
BOPビジネスとは何か、成功に必要なポイントと事例を見てきました。
低所得や貧困の課題が残るBOP層の人々を中心に、商品やサービスを提供しながら社会貢献に取り組むビジネスモデルはBOPビジネスと呼ばれます。
BOPビジネスの成功に必要なポイントは、地域の課題に合った事業展開や生活支援ができる事業内容に取り組むことが大切です。
成功例としては『テーブルクロス』『三菱商事』『豊田通商』の取り組みを紹介しました。
現地の人に求められる課題を解消できる支援と事業展開が両立できると、BOPビジネスの成功例として新たな集客が見込めます。現地の需要と供給を調査しながら、新しい事業内容を展開するときの参考にしてください。
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