社会貢献ができるビジネスモデルには、地域社会を中心に展開できるコミュニティ・ビジネスがあります。
地域に暮らす人々の課題を解消できるビジネスモデルとして高齢者や児童、社会人の方など、幅広い世代の悩みを解消する事業内容が展開できるところも魅力です。
コミュニティ・ビジネスとは何か、ビジネスモデルの特徴や事例をわかりやすく紹介します。
これから新規事業を始めたい方で、自由なアイデアを出して社会貢献につながる内容を検討したいときの参考にしてください。
コミュニティ・ビジネスとは?
地域が抱える課題をビジネスを通して解消する方法は、コミュニティ・ビジネスと呼ばれます。
たとえば、新規事業から新しい雇用の流れが生まれて人材確保につながること、地域のコミュニケーションの流れや移住の機会が生まれるなど、地域の活性化につながるところが利点です。
時代の流行を事業に取り入れながら、地域社会に還元できるアイデアを実行して広める役割が期待できます。
特徴1:地域に新しい事業が生まれて人材確保ができる
コミュニティ・ビジネスでは、地域の特徴や強みを活かしながら行政や起業家たちと協力し合って新しい事業を展開していけます。
地元に根ざしたビジネスモデルを展開できると、企業の事業を通して新しい雇用先を生むきっかけにつながり、地元で働きたい人の雇用をサポートする手助けができる流れです。
また、コミュニティ・ビジネスの事業が成功して広がると、ほかの企業が参入しやすい流れができて相乗効果で地域全体の雇用を生む流れができます。
企業だけでなく地域社会の人材雇用の確保につながるところは、コミュニティ・ビジネスの魅力として注目したいポイントです。
特徴2:地域のコミュニケーションの循環が生まれる
コミュニティ・ビジネスには、地域に関わるさまざまな人々や団体が協力し合って流れを生み出します。
たとえば、地元の企業や行政機関、大学などの研究機関や専門家など、各方面のプロからサポートをもらいながら事業実現に向けて挑戦する流れです。
地域の人々と協力する過程でコミュニケーションの循環が生まれるため、これまで関わりのなかった人々と協力する体制が整います。
コミュニティ・ビジネスは、地域社会のコミュニケーション活性化や循環が生まれるところも特徴です。
特徴3:地域の町おこしや移住のきっかけができる
コミュニティ・ビジネスは、今まで知らなかった町のイベントや取り組みを知る機会につながり、移住のきっかけを呼び込むよい機会につながります。
たとえば、地元の町おこしや移住のきっかけに婚活支援のイベントを開催したり、高齢者の買い物を支援したりする事例など、全国各地の支援実績はさまざまです。
コミュニティ・ビジネスに関する事業やイベントを通して町の暮らしや地域を知る機会ができると、外部から地域に人を呼び込む流れが期待できます。
コミュニティビジネスとソーシャルビジネスの違い
社会貢献活動にはさまざまな種類や呼び方がありますが、コミュニティビジネスとソーシャルビジネスの違いは、地域の限定性があるかどうかがポイントです。
コミュニティビジネスは、特定の地域に限定した課題解消を目的に実施し、ソーシャルビジネスは社会全体の課題解消の実現を目指す点で違いがあります。
どちらの活動が事業展開に合っているかは、それぞれの目的や事業内容によっても変わるため、自社の内容に合う選択肢をご検討ください。
コミュニティ・ビジネスにも問題点がある?
地域の課題解消をテーマに掲げるコミュニティ・ビジネスには、一般的なビジネスモデルと比較すると、実現に向けて時間や手間がかかる場合が多くあります。
実際にコミュニティ・ビジネスを取り入れるときの問題点を見ていきましょう。
前例のビジネスモデルがなく真似できない
コミュニティ・ビジネスの内容によっては前例がなく、手探りで事業内容を展開しなければいけない場合もあります。
ビジネスモデルは模倣と独自のアイデアをかけ合わせることで成り立つ場合が多いため、一からスタートする場合は、事業内容の安定化に時間や手間がかかるリスクがつきものです。
自由なアイデアを実行しやすいメリットはあるものの、現実的に実現が可能かどうかを再度検討が必要になります。
コミュニティ・ビジネスの参考にできる事例を探しながら、地域に社会貢献ができる事業内容の実現を目指しましょう。
ビジネスモデルの共感や協力者を集める必要がある
コミュニティ・ビジネスの実現には、地域の社会貢献に関わる事業内容に共感して協力してもらえる人材を探す必要があります。
プロの力を借りながら地域の人と意見交換を進めることで、コミュニティ・ビジネスの失敗例でなく成功例として地域課題の解消も可能です。
利益の追求だけではない強いビジョンや望みをもつ人たちを集めるところがポイントで、期限を決めてどのように形にしていくのかを話し合いましょう。
コミュニティ・ビジネスの課題には、ビジネスモデルの実現に向けた人々の共感と協力者の存在が必要不可欠です。
コミュニティ・ビジネスで起業したいときの進め方
地域貢献ができる事業を立ちあげて成功するには、周りからのサポートをうまく借りる姿勢が大切です。
コミュニティ・ビジネスで起業したいときの進め方を見ていきましょう。
コミュニティ・ビジネスの補助金を使う
地域に貢献できる事業内容を展開したいときに資金不足の場合は、行政機関などが展開する補助金の制度を使いましょう。国が支援しているものから、銀行が関わる支援方法など、さまざまな内容があげられます。
また、強い志をもって始めたいときは、クラウドファンディングのサービスを使って資金を集める方法もおすすめです。
事業内容の公開や広告の進め方によっては、成功すると大きな資金源を集めやすいメリットがあります。コミュニティ・ビジネスで起業したいときの進め方として、国の補助金やクラウドファンディングを活用しましょう。
地域の人と交流しながら協力者を集める
コミュニティ・ビジネスで起業したいときは、地域の人々とのコミュニケーションや事業に関する協力者と志を共有することが大切です。
とくに、ビジネス仲間とは、途中で意見が合わなくなる状態を避けるためにも、事業内容を成功させたい思いが根底で一致するかどうかを検討する必要があります。利益追求だけでは事業の成功は難しくなるからです。
コミュニティ・ビジネスで起業するときは、地域の課題を再度検討しながら協力者との話し合いや方向性の共有を欠かさないように進めましょう。
起業支援のサービスを利用する
コミュニティ・ビジネスなどの社会貢献の起業を支援する団体もいます。初心者から起業を進めたい方を始め、起業に関するアドバイスを受けたいときなどに活用できるところがメリットです。
ほかにも、起業家のネットワークがつくれるコワーキングスペースを利用するなど、人脈をつくって視野を広げたいときに向いています。
個別対応で相談ができるサービスもあるので「コミュニティ・ビジネス 支援」で検索して内容をご確認ください。
コミュニティ・ビジネスモデルの事例3選をわかりやすく紹介
地域の課題を解消できるビジネスモデルには、今後もさまざまな内容が展開されることが予想されます。
国内のコミュニティ・ビジネスモデルの事例3選を紹介するので、事業内容のアイデアを取り入れるときの参考にしてください。
NPO法人フローレンスの事例
仕事と育児を両立する事業内容は、待機児童や育児に関する課題の解消につながるコミュニティ・ビジネスモデルのひとつです。
NPO法人フローレンスでは、社会参加と育児の両立が目指せる幅広い企画やサービスを提供しており、仕事や家庭の事情で忙しい方の代わりに保育サービスを支援してくれます。
子どもを保育する人材と保育を任せたい方をつなぐ役目として、育児相談や支援事業を展開する素晴らしい事例のひとつです。
参考:認定NPO法人フローレンス
株式会社エマリコくにたちの事例
農家で働く方と購入者を仲介する役目として、地域の農業と食材に関する支援に注目が集まっています。
株式会社エマリコくにたちでは、東京の農家で働く人々との交流を通じて直売所や飲食、卸事業など、幅広い事業内容を展開している企業です。
東京で農業に関わる人たちを支援する取り組みとして、マーケティングに関する支援やアドバイスを実施するなど、地域の経済が発展する試みが多く実践されています。
参考:株式会社エマリコくにたち
BABA labの事例
高齢者にあたる世代に向けて仕事の支援や生き方に関するセミナーなど、BABA labでは生きがいをもって暮らせる活動を支援しています。
高齢者が抱える課題をポジティブな側面から新しいアイデアや行動ができるようにサポートしていく仕組みが充実しており、コミュニティや遊びの場も提供している画期的な事業内容です。
高齢者が地域で孤立しないための対策にできるだけでなく、社会と交流の機会をもちたいと考える方を支援するきっかけが生まれます。
参考:BABA lab
コミュニティ・ビジネスは地域の課題を解消できるビジネスモデル
コミュニティ・ビジネスとは何か、ビジネスモデルの特徴や事例を見てきました。
地域の課題を解消して人々が暮らしやすい仕組みをつくるビジネスモデルは、コミュニティ・ビジネスと呼ばれています。
コミュニティ・ビジネスは、雇用や地域でのコミュニケーションの流れが生まれる点、町おこしや移住のきっかけにつながる点が特徴です。
実際の事例では『NPO法人フローレンス』『株式会社エマリコくにたち』『BABA lab』の取り組みを取りあげました。
コミュニティ・ビジネスは、地域の課題を解消できる事業内容が展開できる素晴らしいビジネスモデルなので、これから新規事業を立ちあげたいときの参考にしてください。
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