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偉大な起業家はアーティストである“伝説の投資家”ビル・タイが2015年に予想していた「インターネットの次のビッグウェーブ」
Bill

Extreme Tech Challenge(以降、XTC)創業者の一人、Bill Tai(ビル・タイ)氏の素顔、そしてこれからの未来について彼が予想した展望が、Forbesにて公開されています。2015年9月に公開された記事の一部を引用し、当時の彼が思い描いていた世界の展望についての考えをさかのぼり紹介します。

2015年から2022年までをさかのぼる

2015年は、初のApple Watch、iPhone6が発売された年でした。今では、Youtuberが「将来なりたい職業」ランキングにも入り注目されるようになりましたが、当時はインフルエンサーとなる働き方がまだそれほど脚光を浴びていなかった時期でもあるでしょう。

偉大な起業家はアーティストである

デジタル・ミュージックのパイオニアであり現在はRiptide Music PublishingのCIOとACME innovationの共同設立者であるGeorge Howard (ジョージ・ハワード)氏が聞き手となり、記事はこのような質問からスタートしました。

ジョージ 私は、偉大なヒュー・マクロードの言葉を引用して、「すべてのアーティストは起業家であり、偉大な起業家はアーティストである」と長い間考えてきました。ミュージシャンがますます起業家になることを強いられたり、小さなスタートアップ企業のように振る舞ったりする現代を、あなたはどう思われますか?これまで何千人もの起業家たちと仕事をし、彼らを指導し、育ててきたと思いますが、もしアドバイスがあれば教えてください。

ビル 今の人たちは、自分がどれだけ幸運なのかをわかっていないと思います。

30〜40年前、バンドを組んで活動したり、パフォーミングアーティストになったりすることがどんなことだったかをさかのぼり考えてみると、当時はかなり生産と流通をコントロールする形で企業の言いなりになっていたのです。なぜなら、レコード盤を印刷し、それを出荷するために必要な資本力を持っているのは企業であり、なかなか個人で資本を持つことはできませんでした。

ジョージ よくわかります。レコード盤を出す以前に、まずスタジオに行くためには、自分の資産を交換しなければならなかった日々をよく覚えています。当時はスタジオに入るために、自分の音源を手放さなければならなかったんです。

ビル そうです。昔のアーティストはそうだったのです。新聞の印刷やトランスポンダーのインフラ整備、あるいはレコードのラジオ配信など、あらゆる形態のメディアの生産と流通の周辺で発生した資本の集中は、アーティストを巨大なシステムの歯車のような立場に追いやったのだと私は思います。

しかし、今ではノートPCやスマートフォンがあれば、自分自身をプロデュースし、どこにいても発信することができ、流通にアクセスし、そのしがらみの歯車から抜け出せる可能性があるのです。

私は今、「Vine」アーティストの台頭のようなものに魅了されています。

ジョージ そうですね。著作権の問題があるかもしれませんが、でも、おっしゃるとおりです。

ビル  Vineアーティストと呼ぶべきかどうかはわかりません。でも、これは一種の異質なアートです。子供たちが一見奇妙な動きを15秒でやって、Vineで1000万回再生されるのを見ますが、これは一種のエンターテイメントなんです。

そして、私たちは、イノベーションに挑戦することでお金を得ることができる世界にいるのだと思うのです。そして、挑戦すれば失敗もしやすくなります。そして、失敗しても学ぶことができる。社会は挑戦することだけに報酬を与えるようになったのです。そして、自由に挑戦できるということは、精神的にとても開放されていくということなのです。

50年代のアメリカの企業イメージといえば、マディソン街のスーツを着た人たちや、IBMや日本のサラリーマンが働く巨大な会社でしたよね。そして今は、起業家として、あるいはアーティストとして、自分のキャリアを築くことができるのです。
(出典 Forbes“Bill Tai Interview Part 2: “The Structural Unlocking Of Spirits: Artists As Entrepreneurs”

この対談で語られている「Vine」というショート形式の動画共有サービスは、2017年でクローズしてしまいましたが、その後日本でもVineで注目を集めたKemioさんやスカイピースなどのインフルエンサーがYoutberになり活躍をしています。

またショートムービーを投稿・シェアできるアプリ「Tiktok」が「Vine」の後に流行し、2021年9月時点では、Tiktokのアクティブユーザー数は10億人以上と言われ、2021年の収入は1750万ドル(約19億9800万円)で、もっとも稼ぐTikTokスターの王冠を手にしたチャーリー・ダミリオさんは、アパレルブランドを展開するほか、TikTok上で製品を宣伝するなどして収益を上げているそうです。

このように二人が対談で語った内容が、現代では証明されつつあるでしょう。

bill

インターネット投資の4つのビッグウェーブ

ビル氏のプレゼンテーションのひとつ、「インターネット投資の次のビッグウェーブ(”Internet Waves of Growth and Investment “)」に関連して、話が進んでいきます。

まずは今までに経験した4つの波についてです。

ジョージ アーティストが生み出す新しいコンテンツはすべてデータであり、この話の核となるのは、私たちの課題は「データを組織化する」ということではないでしょうか。

ビル そうですね。

ジョージ そして、この話の核はそのデータをまとめて保存することでもあるでしょう。そのデータは健康やゲノムなどだと思っているのですが、認識は正しいでしょうか?

ビル まさにそのとおりです。私は、もともと半導体チップの設計をしていました。そこで最初の投資可能な波というのがあったのです。

当時、まだそれほど制度化されていませんでしたが、70年代後半から80年代半ばにかけて、トランジスタへの技術統合を主要な価値提案とする企業の波が押し寄せていました。真空管に代わって、消費電力が少なく、持ち運びができるものを作ろうとしたわけです。これが第一の波です。

その後、レゴブロックのように基盤などの組み立てを行う「第二の波」がやってきました。

ジョージ 一般的には、パソコンをつくったDellやそのような企業が多いですね。

ビル  そうです。コンピュータ・システム、サブシステム、通信システム、これらは90年代を通じて、非常に投資しやすい波でした。通信インフラのデジタル化によって、これらの小さな箱がつなぎ合わされたのです。

3番目の大きな波は、ISPやコロケーション、ホスティング事業者(Amazonのクラウドビジネスのルーツ)の設立となりました。

そして、第4波。これは、テクノロジーがブラウザを通じてユーザーに届くようになると、蛇口から水が出てくるように、クラウドコンピューティングでオープンソースソフトウェアを使い、ほとんどのツールが無料で使用できるユーザー・インターフェースについてです。

ジョージ そうですね。

ビル  あなたがアプリで見ている企業の多くは、実際にはクラウドから送られてくるデータに対するユーザー・インターフェースに過ぎず、データを動かし、扱うことで大きな価値を生み出しているのです。
(出典:Forbes“Bill Tai Interview Part 2: “The Structural Unlocking Of Spirits: Artists As Entrepreneurs”)

インターネット投資の次のビッグウェーブ「ビッグデータ」

4つの波を経て、次にくるであろう第5の波「ビッグデータ」について話が進みます。2015年にビル氏が予想していたビッグウェーブとは具体的にどういったものだったのでしょうか。

ビル  このように各社がそれぞれのカテゴリーに属していたため、これらの企業が勝つためのテクニックとして、Hadoopのような、人々が聞いたことがあるかないかの技術を中心にして、ビッグデータの波が生まれたのだと思います。

以前は、ストレージのコストが高すぎ、インサイトを高めることができなかったため、このような力はあまり経済的ではなかったと私は考えています。でも今は、毎日何兆、何十兆という情報を管理し、処理することができます。

実店舗の世界では、ウォルマートのような企業が、大量のデータに対する物理的なユーザー・インターフェースのようなもので、大きな成功を収めています。

ジョージ  そうですね。

ビル  データは、あらゆるところで応用されていきます。その知識の枠組みを、「非構造化データ」と呼ばれるさまざまなものに適用することができます。

もしあなたがオーケストラの指揮者のような立場で、各家庭にぶら下がっている電力メーターの情報をグループレベルで見ることができれば、どのように需要を調整すればよいかがわかり、価格設定やインフラ構築の効率が上がるでしょう。

ジョージ  それは、GoogleがNestで行ったスマートホームの話とも通じますか?

ビル そうだと思います。

Treasure Dataのような企業が、大量のデータを扱うための使いやすいインフラを容易に利用できるようになったため、ますますそうなってきています。Treasure Dataは創業4年の企業ですが、トヨタ自動車などの顧客から1日当たり3兆行のデータを取り込む規模になりました。この事例では、トヨタ自動車のハイブリッド車の数パーセントのエンジンデータを一日中監視し、時間帯や交通状況によるエンジン性能の変化を把握しています。

トヨタ自動車のハイブリッド車の数パーセントのエンジンデータを一日中監視し、時間帯や交通状況に応じてエンジンの性能を把握することができます。また、時間帯やラッシュアワー、それ以外の時間帯で、エンジンの性能がどのように見えるか、そして、人々が自動車をどのように使っているのか、それをもとに、今後のエンジン設計の効率化を図っているのです。

ジョージ 私は、この技術にとても期待しています。以前病気になったことがあり、それから口にするものは基本的に野菜に制限し、体に入れるものにとても気をつけるようになったことで快方に向かったことがあります。

その経験から、朝起きたら、「あなたの血糖値はこれくらいです」と表示されるようなレベルのインターフェースが欲しいと思うようになりました。そして、食事をしたり、これから提示されるものを摂取したりすると、活動や他のあらゆることに関連して、その数値が上がったり下がったりするのが見えるはずだと常々思っているんです。

ビル  実は、その時代にはもう到達しています。私たちは確実にそこに向かっているのです。

サムスンもその分野ではかなり良い取り組みをしていると思います。まだ少し先の話ですが、サムスンのイノベーション部長に、「戦略とイノベーション」を担当する大きな部署を運営している人がいて、彼らは「ウェアラブル」を発表しました。

腕時計のように見えますが、私たちの血液中のあらゆるものを測定するものです。針を刺すわけではありませんが、基本的には、さまざまなLEDを通してさまざまな周波数の光を肌に当て、血流をモニターしています。最終的には、心拍だけでなく、血糖値やあらゆる種類のものを測定したいと考えているそうです。

各タスクで得られる推論の多くは、限られたデータに基づいています。現在では、特にHadoopと呼ばれるインフラ技術によって、異種混在のデータセットを1つのテーブルにまとめ、「非構造化データ」と呼ばれるデータ間でどのような相関関係があるのかを確認することができるようになりました。
(出典:Forbes“Bill Tai Interview Part 2: “The Structural Unlocking Of Spirits: Artists As Entrepreneurs”)

この対談の最後には、カイトサーファーでもあるビル氏の投資家としての姿勢にも触れ、「ビル氏は、誰ももが目指すべき成功した起業家のイメージである」というジョージ氏の言葉を受け、「何らかの影響を与え、さまざまな人々と楽しみながら意義があることができるよう刺激を与えることができれば嬉しいです。」という言葉で締めくくられました。

この記事を読んでいるあなたも、「いずれはビル氏のように起業家として成功したい」と、もしも思っているとしたら、彼らが創設したXTCへ参加してみるのはいかがでしょうか。年に一度、日本予選をXTC JAPANとして実施しています。

XTC日本予選で優勝するとグローバル大会への道が開かれていきます。

XTCへの参加がきっかけで、いまではユニコーン企業となったCanvaのように、その仲間入りを果たす第一歩を踏み出すことができるかもしれません。

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NEXTAパートナー企業の、株式会社ガイアックスは社会課題解決事業をサポートしているスタートアップスタジオです。
ガイアックスの実施しているSTARTUP CAFEでは、「ビジネスアイデアはあるけど次のステップがわからない」、「そもそも自分のアイデアの価値を知りたい」といった相談を無料で受け付けています。
事業相談はもちろん、良い事業案にはバックオフィス支援から出資まで実施しています。
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偉大な起業家はアーティストである“伝説の投資家”ビル・タイが2015年に予想していた「インターネットの次のビッグウェーブ」
Bill

Extreme Tech Challenge(以降、XTC)創業者の一人、Bill Tai(ビル・タイ)氏の素顔、そしてこれからの未来について彼が予想した展望が、Forbesにて公開されています。2015年9月に公開された記事の一部を引用し、当時の彼が思い描いていた世界の展望についての考えをさかのぼり紹介します。

2015年から2022年までをさかのぼる

2015年は、初のApple Watch、iPhone6が発売された年でした。今では、Youtuberが「将来なりたい職業」ランキングにも入り注目されるようになりましたが、当時はインフルエンサーとなる働き方がまだそれほど脚光を浴びていなかった時期でもあるでしょう。

偉大な起業家はアーティストである

デジタル・ミュージックのパイオニアであり現在はRiptide Music PublishingのCIOとACME innovationの共同設立者であるGeorge Howard (ジョージ・ハワード)氏が聞き手となり、記事はこのような質問からスタートしました。

ジョージ 私は、偉大なヒュー・マクロードの言葉を引用して、「すべてのアーティストは起業家であり、偉大な起業家はアーティストである」と長い間考えてきました。ミュージシャンがますます起業家になることを強いられたり、小さなスタートアップ企業のように振る舞ったりする現代を、あなたはどう思われますか?これまで何千人もの起業家たちと仕事をし、彼らを指導し、育ててきたと思いますが、もしアドバイスがあれば教えてください。

ビル 今の人たちは、自分がどれだけ幸運なのかをわかっていないと思います。

30〜40年前、バンドを組んで活動したり、パフォーミングアーティストになったりすることがどんなことだったかをさかのぼり考えてみると、当時はかなり生産と流通をコントロールする形で企業の言いなりになっていたのです。なぜなら、レコード盤を印刷し、それを出荷するために必要な資本力を持っているのは企業であり、なかなか個人で資本を持つことはできませんでした。

ジョージ よくわかります。レコード盤を出す以前に、まずスタジオに行くためには、自分の資産を交換しなければならなかった日々をよく覚えています。当時はスタジオに入るために、自分の音源を手放さなければならなかったんです。

ビル そうです。昔のアーティストはそうだったのです。新聞の印刷やトランスポンダーのインフラ整備、あるいはレコードのラジオ配信など、あらゆる形態のメディアの生産と流通の周辺で発生した資本の集中は、アーティストを巨大なシステムの歯車のような立場に追いやったのだと私は思います。

しかし、今ではノートPCやスマートフォンがあれば、自分自身をプロデュースし、どこにいても発信することができ、流通にアクセスし、そのしがらみの歯車から抜け出せる可能性があるのです。

私は今、「Vine」アーティストの台頭のようなものに魅了されています。

ジョージ そうですね。著作権の問題があるかもしれませんが、でも、おっしゃるとおりです。

ビル  Vineアーティストと呼ぶべきかどうかはわかりません。でも、これは一種の異質なアートです。子供たちが一見奇妙な動きを15秒でやって、Vineで1000万回再生されるのを見ますが、これは一種のエンターテイメントなんです。

そして、私たちは、イノベーションに挑戦することでお金を得ることができる世界にいるのだと思うのです。そして、挑戦すれば失敗もしやすくなります。そして、失敗しても学ぶことができる。社会は挑戦することだけに報酬を与えるようになったのです。そして、自由に挑戦できるということは、精神的にとても開放されていくということなのです。

50年代のアメリカの企業イメージといえば、マディソン街のスーツを着た人たちや、IBMや日本のサラリーマンが働く巨大な会社でしたよね。そして今は、起業家として、あるいはアーティストとして、自分のキャリアを築くことができるのです。
(出典 Forbes“Bill Tai Interview Part 2: “The Structural Unlocking Of Spirits: Artists As Entrepreneurs”

この対談で語られている「Vine」というショート形式の動画共有サービスは、2017年でクローズしてしまいましたが、その後日本でもVineで注目を集めたKemioさんやスカイピースなどのインフルエンサーがYoutberになり活躍をしています。

またショートムービーを投稿・シェアできるアプリ「Tiktok」が「Vine」の後に流行し、2021年9月時点では、Tiktokのアクティブユーザー数は10億人以上と言われ、2021年の収入は1750万ドル(約19億9800万円)で、もっとも稼ぐTikTokスターの王冠を手にしたチャーリー・ダミリオさんは、アパレルブランドを展開するほか、TikTok上で製品を宣伝するなどして収益を上げているそうです。

このように二人が対談で語った内容が、現代では証明されつつあるでしょう。

bill

インターネット投資の4つのビッグウェーブ

ビル氏のプレゼンテーションのひとつ、「インターネット投資の次のビッグウェーブ(”Internet Waves of Growth and Investment “)」に関連して、話が進んでいきます。

まずは今までに経験した4つの波についてです。

ジョージ アーティストが生み出す新しいコンテンツはすべてデータであり、この話の核となるのは、私たちの課題は「データを組織化する」ということではないでしょうか。

ビル そうですね。

ジョージ そして、この話の核はそのデータをまとめて保存することでもあるでしょう。そのデータは健康やゲノムなどだと思っているのですが、認識は正しいでしょうか?

ビル まさにそのとおりです。私は、もともと半導体チップの設計をしていました。そこで最初の投資可能な波というのがあったのです。

当時、まだそれほど制度化されていませんでしたが、70年代後半から80年代半ばにかけて、トランジスタへの技術統合を主要な価値提案とする企業の波が押し寄せていました。真空管に代わって、消費電力が少なく、持ち運びができるものを作ろうとしたわけです。これが第一の波です。

その後、レゴブロックのように基盤などの組み立てを行う「第二の波」がやってきました。

ジョージ 一般的には、パソコンをつくったDellやそのような企業が多いですね。

ビル  そうです。コンピュータ・システム、サブシステム、通信システム、これらは90年代を通じて、非常に投資しやすい波でした。通信インフラのデジタル化によって、これらの小さな箱がつなぎ合わされたのです。

3番目の大きな波は、ISPやコロケーション、ホスティング事業者(Amazonのクラウドビジネスのルーツ)の設立となりました。

そして、第4波。これは、テクノロジーがブラウザを通じてユーザーに届くようになると、蛇口から水が出てくるように、クラウドコンピューティングでオープンソースソフトウェアを使い、ほとんどのツールが無料で使用できるユーザー・インターフェースについてです。

ジョージ そうですね。

ビル  あなたがアプリで見ている企業の多くは、実際にはクラウドから送られてくるデータに対するユーザー・インターフェースに過ぎず、データを動かし、扱うことで大きな価値を生み出しているのです。
(出典:Forbes“Bill Tai Interview Part 2: “The Structural Unlocking Of Spirits: Artists As Entrepreneurs”)

インターネット投資の次のビッグウェーブ「ビッグデータ」

4つの波を経て、次にくるであろう第5の波「ビッグデータ」について話が進みます。2015年にビル氏が予想していたビッグウェーブとは具体的にどういったものだったのでしょうか。

ビル  このように各社がそれぞれのカテゴリーに属していたため、これらの企業が勝つためのテクニックとして、Hadoopのような、人々が聞いたことがあるかないかの技術を中心にして、ビッグデータの波が生まれたのだと思います。

以前は、ストレージのコストが高すぎ、インサイトを高めることができなかったため、このような力はあまり経済的ではなかったと私は考えています。でも今は、毎日何兆、何十兆という情報を管理し、処理することができます。

実店舗の世界では、ウォルマートのような企業が、大量のデータに対する物理的なユーザー・インターフェースのようなもので、大きな成功を収めています。

ジョージ  そうですね。

ビル  データは、あらゆるところで応用されていきます。その知識の枠組みを、「非構造化データ」と呼ばれるさまざまなものに適用することができます。

もしあなたがオーケストラの指揮者のような立場で、各家庭にぶら下がっている電力メーターの情報をグループレベルで見ることができれば、どのように需要を調整すればよいかがわかり、価格設定やインフラ構築の効率が上がるでしょう。

ジョージ  それは、GoogleがNestで行ったスマートホームの話とも通じますか?

ビル そうだと思います。

Treasure Dataのような企業が、大量のデータを扱うための使いやすいインフラを容易に利用できるようになったため、ますますそうなってきています。Treasure Dataは創業4年の企業ですが、トヨタ自動車などの顧客から1日当たり3兆行のデータを取り込む規模になりました。この事例では、トヨタ自動車のハイブリッド車の数パーセントのエンジンデータを一日中監視し、時間帯や交通状況によるエンジン性能の変化を把握しています。

トヨタ自動車のハイブリッド車の数パーセントのエンジンデータを一日中監視し、時間帯や交通状況に応じてエンジンの性能を把握することができます。また、時間帯やラッシュアワー、それ以外の時間帯で、エンジンの性能がどのように見えるか、そして、人々が自動車をどのように使っているのか、それをもとに、今後のエンジン設計の効率化を図っているのです。

ジョージ 私は、この技術にとても期待しています。以前病気になったことがあり、それから口にするものは基本的に野菜に制限し、体に入れるものにとても気をつけるようになったことで快方に向かったことがあります。

その経験から、朝起きたら、「あなたの血糖値はこれくらいです」と表示されるようなレベルのインターフェースが欲しいと思うようになりました。そして、食事をしたり、これから提示されるものを摂取したりすると、活動や他のあらゆることに関連して、その数値が上がったり下がったりするのが見えるはずだと常々思っているんです。

ビル  実は、その時代にはもう到達しています。私たちは確実にそこに向かっているのです。

サムスンもその分野ではかなり良い取り組みをしていると思います。まだ少し先の話ですが、サムスンのイノベーション部長に、「戦略とイノベーション」を担当する大きな部署を運営している人がいて、彼らは「ウェアラブル」を発表しました。

腕時計のように見えますが、私たちの血液中のあらゆるものを測定するものです。針を刺すわけではありませんが、基本的には、さまざまなLEDを通してさまざまな周波数の光を肌に当て、血流をモニターしています。最終的には、心拍だけでなく、血糖値やあらゆる種類のものを測定したいと考えているそうです。

各タスクで得られる推論の多くは、限られたデータに基づいています。現在では、特にHadoopと呼ばれるインフラ技術によって、異種混在のデータセットを1つのテーブルにまとめ、「非構造化データ」と呼ばれるデータ間でどのような相関関係があるのかを確認することができるようになりました。
(出典:Forbes“Bill Tai Interview Part 2: “The Structural Unlocking Of Spirits: Artists As Entrepreneurs”)

この対談の最後には、カイトサーファーでもあるビル氏の投資家としての姿勢にも触れ、「ビル氏は、誰ももが目指すべき成功した起業家のイメージである」というジョージ氏の言葉を受け、「何らかの影響を与え、さまざまな人々と楽しみながら意義があることができるよう刺激を与えることができれば嬉しいです。」という言葉で締めくくられました。

この記事を読んでいるあなたも、「いずれはビル氏のように起業家として成功したい」と、もしも思っているとしたら、彼らが創設したXTCへ参加してみるのはいかがでしょうか。年に一度、日本予選をXTC JAPANとして実施しています。

XTC日本予選で優勝するとグローバル大会への道が開かれていきます。

XTCへの参加がきっかけで、いまではユニコーン企業となったCanvaのように、その仲間入りを果たす第一歩を踏み出すことができるかもしれません。

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