新規事業を展開するには、すでに持っているアイデアに加えて新しい視点から物事を見通せる発想力が求められます。ただ、いきなりビジネスモデルのアイデアを検討しても、事業に活かせる内容が思いつくかどうかはわかりません。
自分の強みや弱みを理解しながらも、ほかの企業がどのようなアイデアを参考に事業内容を展開しているのか事例やアイデアの生み出し方を知る必要があります。
社会貢献に活かせるような事業内容をビジネスモデルに組み込むと、新しい視点から大きな事業につなげられる可能性もあるかもしれません。
本記事では、新たなビジネスモデルのアイデアを生む考え方を始め、事例をわかりやすく解説します。
新たなビジネスモデルを作るときに注目したい事業の分野とは？
これからの時代は、社会貢献できるようなビジネスモデルが注目されます。あなたの事業内容の経験から活かせそうな分野を探してみてください。
新たなビジネスモデルを作るときに注目したい事業の分野とは何かを見ていきましょう。
DXに関する事業
DX（デジタルトランスフォーメーション）とは、ITが広まることで社会全体のよりよい生活の実現につながるとされる考え方です。
実際にITの発展は私たちの生活を支える上で欠かせない生活基盤になっています。日常生活から仕事の現場まで、情報技術なしでは社会を安定的に継続することは難しいといえるかもしれません。
オンラインのシステムなど、大量の情報を効果的に処理するためにITの産業は欠かせない分野です。DXに関する事業内容に注目が集まっているため、新たなビジネスモデルのアイデアを考えるときは事業内容の参考にしてみてください。
SDGsに関する事業
SDGs（持続可能な開発目標）とは、世界や地球の社会問題を解消できるような事業内容の取り組みを指す言葉です。SDGsの取り組みを実践する企業は、世界や国内でも社会貢献ができる企業として発展が見込みやすい特徴があげられます。
- 貧困に関わる課題
- 健康や福祉に関わる課題
- 地球環境の資源に関わる課題
- 人権やパートナーシップに関わる課題
- 教育に関わる課題
ほかにも、SDGsにはさまざまな社会問題の課題が取り上げられるため、新たなビジネスモデルを考えるときの参考にしてください。
シェアリングエコノミーに関する事業
個人が持っている価値や資産を共有して利益を得られる事業内容は、シェアリングエコノミーと呼ばれます。シェアリングエコノミーには、事業が個人を仲介する費用などを事業の利益にしながら、個人と事業の両方にとってメリットのあるサービスとして活用が可能です。
シェアする側は、空き時間やスペース、スキルなどの価値や資産を活用してお金が得られるメリットがあります。また、シェアを受ける側は、物を購入して所有する手間が省けるところが便利です。
シェアリングエコノミーの事業内容は、今後とも増えていくと予想されるので、新たなビジネスモデルのアイデアを生んで参入するのにおすすめの分野といえます。
社会問題に関する事業
ビジネスの本質は社会にある問題を解消することであり、事業内容の軸を社会問題の解消に寄せて展開する方法も考えられます。たとえば、国内で社会問題になっている課題は下記のとおりです。
- 高齢者の介護に関する課題
- 待機児童に関する課題
- 空き家に関する課題
- 少子化や貧困に関する課題
ほかにも社会の人々が生活する上で困っている課題は多くあるため、新たなビジネスモデルのアイデアに組み込みながら検討する方向性も模索してみてください。
新たなビジネスモデルのアイデアを生む考え方とは？
新規事業で参入するには自社の分析や市場調査など、情報収集が成功の鍵を握っています。失敗のリスクを減らしてビジネスモデルを展開するためにも、新たなビジネスモデルのアイデアを生む考え方とは何かを見ていきましょう。
フレームワークを活用する
新しいアイデアを思いつくには、ヒントを引き出しやすくなるフレームワークを取り入れましょう。たとえば、下記のようなフレームワークを活用します。
- ビジネスモデルキャンバス（BMC）：9つの要素を書き出していき、目に見える形で事業アイデアを可視化できる
- スキャンパー法（SCAMPER）：7つの問いかけからアイデアを生み出す手法。
何もないところからアイデアを思い浮かべるよりも、フレームワークを活用すると新たなビジネスモデルにつながるアイデアを出しやすくなります。
業界の市場調査を欠かさない
新しく参入したい分野について、どのようなニーズや傾向があるのか事前に調査しておきます。
注目が集まっている内容はあるのか、どのような世代に商品やサービスが好まれるのか、時代に合った事業内容なのかなど、あらゆる面から分析しましょう。事前に市場調査を済ませておくことで、需要のない分野で事業を展開して失敗することを避けられるメリットがあげられます。
ライバルに当たる企業がどのような戦略を立てているのかもわかるので、情報収集は欠かさないようにしましょう。
自社の強みと弱みを洗い出す
新たなビジネスモデルを生み出すには、会社が得意とする内容や苦手とする内容を書き出すことが重要です。
たとえば、規模が小さい企業で人手が少ないと感じられるときは、少人数精鋭の形で展開できる事業内容を模索します。過去に成功した事業内容での強みと弱みに何があるのか、会議を開いてアイデアを出し合う機会を設けましょう。
新しいビジネスモデルを思いつくには、まずは自社に何ができるのかを把握して発想を得る方法もアイデアを生み出す考え方につながります。
ブルーオーシャンを狙う
市場でライバルが少ない分野は、争いの少ない青い海という意味でブルーオーシャンと呼ばれます。
競争相手がまったくいない分野では、そもそも需要や収益が見込めないデメリットもありますが、ブルーオーシャンの場合は市場の盲点をつくような形でビジネスモデルの展開が可能です。
競争相手が多いレッドオーシャンに比べると、新しいビジネスモデルで介入するときにハードルが低くなるメリットがあります。
なるべく競争相手の少ない分野を狙って新規事業を立ち上げたいときは、ブルーオーシャンの領域を探してみましょう。
【起業に必見】ブルーオーシャン戦略とは？事例やメリットを解説
新たなビジネスモデルの事例
注目が集まっている分野の事業内容を新しく模索することで、時代の流れに合わせた内容を発信できます。
具体的に自社の事業内容の強みから発展するためにも、新たなビジネスモデルの事例を見ていきましょう。
DXに関する事例
ITの普及で社会の生活を豊かにできるDXは、生活の基盤を支えられるビジネスモデルを展開できる分野です。
たとえば、DXの事例にはスマホから簡単にフリーマーケットのように購入できる『メルカリ』の事例があげられます。パソコンを使わない人でもスマホから商品の売買が可能な点が画期的で、簡単な操作方法で売り買いができるサービスが便利です。
利用者のかゆいところに手が届くメルカリのサービスは、最低限の手数料で購入者と出品者にもメリットが大きい内容としてDXに関する事例にあげられます。
参考：出品・購入メルカリ初心者ガイド
SDGsに関する事例
世界や地球の社会問題を解消できるような事業内容や取り組みは、SDGsと呼ばれています。
たとえば、国内のSDGsに関する取り組みには、東京の『銀座ロフト店』が時代や環境に配慮した商品を展開。購入者にとっても自然のオーガニック系の商品に触れ合えるなど、妥協のない商品を数多く提供しています。
SDGsに関するビジネスモデルの事例は幅広いので、自社の事業内容から引き出せそうなポイントはないか検討する過程で、新しいビジネスモデルを展開する参考になるかもしれません。
参考：新生・銀座ロフトが発信する「雑貨の今」Vol.2
シェアリングサービスに関する事例
個人が所有する価値や資産を共有して利用者と事業者の両方が収益を得られる事業内容は、シェアリングエコノミーと呼ばれます。
関連する事業内容としてシェアリングサービスの事例には、傘をシェアする形で使える『アイカサ』のサービスが画期的です。現在のところは、東京周辺や大阪、岡山や福岡など、指定の地域のみになりますが、急な雨でもアイカサの傘を利用すれば毎日傘を持ち歩かずに済みます。
24時間70円で利用できるところも魅力的で、スマホのアプリを使って傘を利用すれば、アイカサのサービスがある場所にどこでも返却が可能です。
参考：アイカサ | 傘のシェアリングサービス
社会問題に関する事例
ビジネスと社会問題の解消をつなげて新しいビジネスモデルを展開する方法も検討してみましょう。
たとえば、国内で社会問題になっているフードロス（廃棄される食品に関する問題）を解消する事業モデルには『WakeAi（ワケアイ）』のサービスがあげられます。新型コロナウイルスの影響から事業の継続が難しくなった食品関係の事業者と顧客を仲介して、通常よりも安い価格で商品を購入することが可能です。
事業者のサポートをしながら食材が購入できる魅力がある画期的なサービスを展開しています。
参考：WakeAi：フードロス削減、SDGsを目指す通販モール
新たなビジネスモデルは社会貢献の事業内容がおすすめ
新たなビジネスモデルのアイデアを生む考え方を始め、事例をわかりやすく解説してきました。
新規事業を生み出すアイデアには、フレームワークの活用や業界の市場調査、自社の強みと弱みを洗い出すことやブルーオーシャンを狙う方法があげられます。
ビジネスモデルの事例に関しては「DX」「SDGs」「シェアリングエコノミー」「社会問題」の内容を事業内容とともに簡単に取りあげました。
新たなビジネスモデルを生み出すには、時代の流れに合わせた内容から模索しながら社会貢献につながるものを選ぶのがおすすめです。
新規事業を展開していきたい方は、ぜひ社会貢献につながるアイデアを引き出す工夫を取り入れてみてください。
