企業や施設のコミュニティには、運営を維持するために欠かせないコミュニティマネージャーの存在が必要です。コミュニティを居心地のよい雰囲気にするためにも、人間関係を調整したり、イベントを企画したりできる総合的な能力が求められます。
今回は、コミュニティマネージャーとは何か、仕事内容・スキルを簡単に解説するので、これから目指したい方の参考にしてみてください。
コミュニティマネージャーとは？
リアルからオンラインのコミュニティを管理、維持する役割を担う仕事は、コミュニティマネージャーと呼ばれます。コミュニティ（共同体や地域社会）＋マネージャー（管理人）を合わせた言葉です。
企業やコワーキングスペースなど、コミュニティづくりが必要な場所で働けるため、人と人をつなぐ存在になります。
コミュニティの運営やイベント企画を実施したり、参加メンバーを管理したりするなど、人と接することが好きな方に向いている仕事です。
コミュニティマネージャーの役割
社会に価値を生み出すコミュニティは、運営後は放置せずに日々のメンテナンスや調整を取り入れる必要があります。
コミュニティマネージャーは、コミュニティの安定化や活性化を担う役割です。効果的に集客ができているのか、メンバーの問題を解消できているのかなど、能力を活かしながら改善を取り入れる必要があります。
コミュニティマネージャーを目指したい方は、下記で紹介する身につけておきたいスキルを参考にしてみてください。
コミュニティマネージャーが身につけたいスキル
コミュニティの運営を管理するには、コミュニケーションに関わる柔軟な能力が必要です。
コミュニティマネージャーが身につけたいスキルには、どのような内容があるのか見ていきましょう。
ニーズを読む能力
コミュニティのメンバーが求めるニーズを理解し、手抜きをせずにコミュニティを設計していく必要があります。コミュニティを利用するメンバー層について掘り下げながら、どのような運営や取り組みが求められているのかを探りましょう。
コミュニティを盛り上げる工夫に取り組むときは、コミュニティマネージャー自身がコミュニティに愛着を持っているかどうかも大切です。
管理者とメンバー全体がコミュニティに対するよいイメージができると、事業を安定させる仕組みづくりにつながります。
柔軟に対応できるコミュニケーション能力
相手の視点に立って行動できる考え方が重要です。コミュニティに関わる人の気持ちに寄り添いながら、言葉で伝えて意思疎通を図れるコミュニケーション能力が求められます。
コミュニティ運営には、絶対に決められたルールが存在しないため、コミュニティマネージャーが臨機応変に問題に対応する流れが必要です。
都度問題を解消するためにも、横のつながりを意識しながらメンバーと柔軟にコミュニケーションが取れるフットワークの軽さが求められます。
発信する・伝える能力
コミュニティの存在を多くの人やファンに知ってもらうためには、SNSやホームページを使って情報発信することが大切です。
ただ発信して終わりではなく、コミュニティマネージャーとして相手の行動を引き出せる伝え方が求められます。価値観を共有できるとコミュニティを活性化させるきっかけにつながるため、コピーやライティングに関する技術を磨いておきましょう。
企画・情報収集の能力
コミュニティの価値をあげて盛り上げるためには、コミュニティマネージャーが軸になってイベントを企画することが大切です。管理側の視点を反映させるのではなく、コミュニティの参加者にメリットが感じられる内容を実践しましょう。
また、企画やイベントの実施で得られるデータを集めて調査を進めながら、運営継続と改善の判断材料に使います。
コミュニティマネージャーには、情報収集や分析する能力など、幅広い視点から物事が考えられる視座が必要です。
コミュニティマネージャーの仕事内容
コミュニティの運営や企画に関わる仕事として、メンバーとのコミュニケーションを取りながら仕事を進めることが大切です。
コミュニティマネージャーがどのような仕事内容に取り組むのか見ていきましょう。
コミュニティをつくる
どのようなコミュニティをつくるのか、ニーズを含めた分析やデザインなどを設計しましょう。また、コミュニティの運営と管理に関わる従業員を選ぶ工程も重要です。
コミュニティの運営にかけられる予算を検討しながら、目標や目的を決めて計画的に実行する必要があります。
価値を高められるように工夫し、コミュニティ全体の運営がうまく進められるようにコミュニティマネージャーが構想を練りましょう。
コンテンツ・イベントを企画する
コミュニティの運用を継続できるように、情報提供やイベント参加、場の提供を含めた企画を実践しましょう。情報の提供にはメールやSNSを使って配信する方法があり、イベント参加や場の提供では実際にメンバーが交流できる機会につながります。
コンテンツを整えることで、コミュニティ独自のアイデアや企画を体験できるため、価値の高い場所として運用できて参加者を飽きさせない工夫に大切です。
メンバーやコミュニティを管理する
コミュニティを運用していると、トラブルが発生して解消が求められる機会があります。メンバーの声に耳を傾けながら、改善策を取り入れられるように配慮しましょう。
コミュニティの入会や退会などに関わる作業に取り組む必要もあります。また、コミュニティ内のつながりを活性化させる役割として、コミュニティマネージャーから積極的に意見交換を図る姿勢も大切です。
コミュニティを広める
コミュニティの内容を充実させながら、同時にメンバーを増やせるように工夫する必要があります。競合のコミュニティに負けない構想を練りながら、マーケティングの技術などを取り入れて効果的に発信しましょう。
SNSやホームページを有効活用しながら、集客ができるようなイベントの開催や体験コーナーを取り入れることが大切です。
参加者にコミュニティの愛着を持ってもらえると、横のつながりを利用して新しいメンバーを増やす工夫につながります。
コミュニティマネージャーの就職先・活躍場所
コミュニティの運営や企画に関わるコミュニティマネージャーは、どのような職場で能力を活かせるのか見ていきましょう。
コミュニティマネージャーの就職先・活躍場所を解説します。
コワーキングスペース・シェアオフィス
起業家や個人事業主、テレワークのサラリーマンなどが集まるコワーキングスペースは、コミュニティマネージャーが活躍できる場所です。
最近では、特定のオフィスを持たずに複数の企業とスペースを共有するシェアオフィスも増えており、それぞれのコミュニティを運営するためにさまざまな施策が実践されています。
独自のセミナーやイベントを実施したり、施設の充実度を高めるサービスを提供したりするなど、利用者の視点に立って競合他社にはない魅力を引き出す能力が必要です。
オンラインサロン
インターネットのオンライン上で運営されるコミュニティは、オンラインサロンと呼ばれています。起業家や個人事業主から芸能人など、独自のスキルや専門性を活かした情報発信を進められるところが利点です。
運営者の人柄や能力を信頼して参加者を集める傾向があるため、コミュニティマネージャーが軸になって運営を盛り上げる人間関係の雰囲気づくりを進める必要があります。
コミュニティ内を居心地のよい空間にしてメンバーが成長できる場にするためにも重要な役割です。
ソーシャルメディア系の企業
コミュニティマネージャーの活躍場所には、企業の事業活動に関わるコミュニティの運営があります。自社のブランドイメージ確立やファンを増やす工夫につながる役割として重要です。
仕事仲間と組みながら、どのようなメンバーを集めたいのか、どのようなコミュニティに育てたいのか構想を練っていきます。企業への愛着やコミュニケーションを大切にしながら、組織の一員として責任と自主性を持って行動できる姿勢が必要です。
コミュニティマネージャーの国内での取り組み事例を紹介
実際の事業活動でコミュニティマネージャーの存在は、どのように活かされているのか見ていきましょう。
コミュニティマネージャーの国内での取り組み事例を紹介します。
ランサーズ
大手クラウドソーシングのサービス事業を展開するランサーズでは「新しい働き方LAB」を通したコミュニティをコミュニティマネージャーが参加して運営を進めています。
スキルアップができる企画から、コワーキングキャンパスの運営など、オンラインからリアルの施設までさまざまな内容を実施している点が特徴です。
メルカリ
インターネットから気軽に商品の販売や購入ができるメルカリは、オンラインのフリーマーケットとして人気のサービスです。メルカリでは、潜在的な顧客の獲得、ファン同士の交流や情報交換を広めるためにメルカリサロンなどのコミュニティを運営しています。
コミュニティマネージャーは人と人をつなぐ存在
コミュニティマネージャーとは何か、仕事内容・スキルを簡単に解説してきました。
リアルからオンラインのコミュニティを管理、維持する役割を担う仕事は、コミュニティマネージャーと呼ばれます。
コミュニティづくりや広報、コンテンツやイベントの企画、メンバーやコミュニティの管理がコミュニティマネージャーの仕事内容です。
コミュニティマネージャーには、ニーズを読んでコミュニティの価値を伝える能力や企画の能力が求められます。
コミュニティマネージャーとして働きたい方は、人と人をつなぐ存在としての役割を果たせるようにコミュニケーション能力や幅広いスキルと知識を身につけましょう。
